i-Construction 2.0とは?
i-Construction 2.0とは、施工、データ連携、施工管理の3領域を自動化し、少ない人数で安全・快適に働ける建設現場を目指す取組です。国交省は2040年度までに少なくとも省人化3割、すなわち生産性1.5倍を目標にしています。これは個々の会社の人員を3割削減する命令ではなく、建設現場全体の生産能力を維持する政策目標です。
この記事の要点
- 従来はICT施工等の「活用」、2.0は業務全体の「自動化」へ重点が移る
- 2025年度は自動施工9件、遠隔施工41件、ICT施工StageⅡが111件
- 2026年度はAI活用、規模によらない普及、本格運用・原則化がキーワード
- 元請だけでなく、データを受け渡す下請・専門工事会社にも影響する
従来のi-Constructionから何が変わったか
| 項目 | i-Construction | i-Construction 2.0 |
|---|---|---|
| 中心 | ICT活用、プレキャスト、平準化 | 省人化とオートメーション化 |
| 施工 | ICT建機を人が操作 | 自動・遠隔施工、複数機械の管理 |
| データ | 工程ごとのデジタル化 | 設計・施工・管理をつなぐデータ連携 |
| 管理 | デジタル計測・検査 | AIやデータによる施工管理支援 |
国交省が目指す3つのオートメーション化
施工のオートメーション化
センサーとAI等を使い、自動施工、遠隔施工、1人による複数建機管理を進めます。標準的な安全ルールや機械間連携が前提です。
データ連携のオートメーション化
BIM/CIM等の3次元データ、施工計画、機械稼働、出来形をつなぎ、二重入力や伝達待ちを減らします。2025年度には設計段階の3次元モデルと2次元図面の整合確認方法が要領化されました。
施工管理のオートメーション化
映像、測量、品質データを遠隔で確認し、AIが異常候補や判断材料を示す方向です。2025年度にはAIを活用した海底測量の効率化等も実施されました。
2025年度までの実績と2026年度の方向性
国交省が2026年4月28日に公表した2年目の成果では、自動施工9件(前年度4件)、遠隔施工41件(同21件)、ICT施工StageⅡ「建設現場のジャストインタイム」111件(同45件)でした。件数は国交省取組の進展を示すもので、全国すべての工事が自動化済みという意味ではありません。
- AI活用
- 規模(企業・工事)に依らない普及
- 試行から本格運用へ、さらに原則化へ
元請だけの話なのか
元請だけの話ではありません。専門工事会社は、施工計画、作業員配置、機械稼働、写真、出来形、安全情報の提供者です。元請側がデータ連携を進めるほど、協力会社にも「指定形式で早く正確に返す」力が求められます。
- 土工:ICT建機、3次元設計データ、出来形
- 足場:組立計画、進捗写真、点検記録、安全情報
- 設備:BIM/CIMとの取り合い、検査記録、機器情報
- 工務店:協力会社との図面・写真・工程情報の一元化
中小建設会社が今から準備すること
- 写真・日報・出来形・安全記録の保存場所と命名を統一する
- 発注者・元請が求めるデータ形式を確認する
- 1現場で二重入力と待ち時間を測定する
- 施工管理アプリや共有ストレージを目的別に選ぶ
- 自動化設備は購入前にレンタル・試行で稼働率を確認する
5〜10人の会社は、BIM/CIM専任部署を先に作るより、写真・工程・日報を誰でも同じ形で扱える状態にする方が先です。20人規模なら、案件ごとの原価・工程・作業実績を横断して比較できる状態を目指します。
関連ガイド
よくある質問
i-Construction 2.0はいつ始まりましたか?
国交省は2024年4月に取組を公表しました。2026年度は3年目に当たります。
2040年度の省人化3割は人員削減ですか?
政策上の生産性目標です。各社に3割解雇を求めるものではありません。
民間建築工事にも関係しますか?
制度の直接対象は公共工事中心ですが、BIM/CIM、遠隔確認、データ連携の方法は民間工事にも波及します。
専門工事会社は何をすべきですか?
元請が求める写真、出来形、安全、工程データを確認し、自社内の記録形式を統一してください。
最初に買うべき機械はありますか?
一律には決められません。現場数、対象工種、レンタル可能性、削減時間、安全効果を測って判断します。
参考・出典
各資料は2026年8月12日に確認しました。
